足立裕志研究 現場視点で「ゆとり世代」のマネジメント術を説く第一人者
以下は、足立裕志『部下がみんなついてくる!慕われるリーダーになれる本』をもとに、そのポイントをまとめたものである。
【足立裕志の経歴】
1981年 京都府京都市生まれ
1997年 16歳で高校在学中に起業
2001年 20歳で海外進出を果たし、ビジネスの楽しさ、厳しさを知る。
2002年 龍谷大学在学時に上京し、ベンチャー企業へ入社、学生ながら営業マンとして活躍。
2007年 株式会社心を設立、代表取締役に就任。若手社員に特化した講演・研修・教育支援を中心に、上場企業、成長ベンチャー企業の若手社員に対する「感謝のトライアングル研修」を実施。完全紹介制の教育研修システムの確立、また、独自の研修手法と相まって各種企業のみならずメディアからも注目の的となる。
【足立裕志の考えるゆとり世代】
・独創性が高い
個性を大切にするゆとり教育を受けてきた若者たちは自由な発想でアイディアを出してくれる p63
・言われたことをやり遂げる
叱られることを嫌うという彼らの特徴は、換言すれば指示通りに仕事をこなすということ p63
・自身の成長に対する関心が高い
「出世」ではなく「成長」を大切にするので、上手に導けばスキルアップして結果、会社の戦力になってくれる p63
・対人における距離感が適切、または冷静
馴れ合いや迎合を嫌う、ある意味不愛想な印象を与えかねない面をビジネスマナーなどでカバーすれば、的確で冷静さは魅力になる p64
【足立裕志のリーダー論】
・身だしなみが整っている上司
私は研修を通して何千人もの若手社員たちと話してきましたが、彼らが話したくないと感じている上司に共通しているのは身だしなみがルーズだという点。ある程度の年齢になるとよっぽどおかしな格好をしなければ叱られることないでしょう。しかしそれは単に、叱ってくれる人がいなくなっただけ。 p71
・挨拶を「返事」ではなく「コミュニケーション」として活用できている上司
「おはようございます」と言われて「はい、おはよう」と応えるのは挨拶ではなくただの「返事」です。挨拶を返すことも大切ですが、相手とのコミュニケーションがうまくいっていないのであれあば皆さんからも積極的に挨拶をしてください。 p79
・「聞ける」上司は「聴ける」上司
「聴」という漢字は耳以外に「目」と「心」が含まれ、耳以外の部分でも相手のことを真剣に考えなければならないのです。
若手部下と皆さんが持つ考え方や価値観は違うので、話を聞いている途中でどうしても口を挟み、アドバイスや説教をしたくなるものです。しかし相手の話を「聴く」のであれば、自分の意見を主張したり、反論したりすべきではありません。 p86・87
・飲みに行きたい上司
もし皆さんが「ゆとり世代は飲みにケーションに誘うもの一苦労だ」などという気持ちで「良い店に連れて行ってやろう」と言っても、若手社員には見透かされてしまい、相手の心にはなにも響かないでしょう。まずは皆さんが「君と飲んで話をしたいんだ」と心の底から思うことが大切です。 p98
【山下智弘(リノべる株式会社代表取締役)との対談から抜粋】
「研修をしていて感じるのは、多くの人が実は部下のことをほとんど知らないんですよ。だから上司の方に「恋人や家族への対応と後輩や部下に対する対応は一緒ですか?」とよく問いかけるんです。単純な業務の中でだけ上っ面の指導をしても、やっぱり伝わらない。自分のことをちゃんと見てくれている。部下がそう思えるような信頼関係を作ったうえで叱るべき時は叱る。そして褒め切る。そのステップをぜひ大切にして欲しいですね」 p183